トコジラミとは・・?

トコジラミ(床虱。学名:Cimex lectularius 英語:Bed bug)
別名:ナンキンムシ、床虫(トコムシ)

トコジラミ(ナンキンムシ)は名前に”シラミ”とつきますが、シラミの仲間ではなくカメムシの仲間です。成虫の体長は5~8mm程度、体の色は茶色で、上から見ると丸く、横から見ると薄い体型をしています。
吸血性の虫で、刺されると非常に強い痒みを生じ、また吸血箇所は赤く蚊に刺されたような痕が長期に渡って続きます。

例年、被害が多い時期は6~9月ですが、冷暖房設備の発達に伴い、今では1年中発生することが報告されています。寿命は10カ月程度で、メスは一度交尾をすると、毎日5~6個程度の卵を約3カ月間に産み続けるため、死ぬまでに500個以上を産卵し繁殖します。

トコジラミは基本的に夜行性のため、成虫・幼虫ともに昼間は壁や床板の隙間、ベットやじゅうたんの裏などの狭い隙間に群れで潜んでいますが、夜になると徘徊して人から吸血します。

不完全変態なので、幼虫から成虫までほぼ同じ形をしています。吸血をしては脱皮を繰り返し、孵化から約2カ月で成虫に成長します。孵化直後の幼虫は1.5㎜と小さく、また半透明なため目視では発見しづらいです。
毎晩吸血するわけではなく、一度お腹いっぱいまで吸血すると数日間は隙間に隠れて出てきません。とても“低燃費”な虫なのです。

トコジラミのココが怖い!

●駆除に一定期間が必要(2~3週間)
●刺されると激しい痛みが1週間以上続く
●毎日産卵する(3ヶ月)
●市販薬が効かない
●血を吸わなくても2か月以上生き続ける
●1mmの隙間があれば生息可能
●風評被害による営業不振
●クレームにより訴訟沙汰になることも

トコジラミの生態

トコジラミは主に人や物と一緒に運ばれて、持ち込まれます。

海外からの旅行客や荷物などと一緒に国外から入ってくるだけでなく、
●トコジラミが発生している国内の施設を利用した場合、その利用者の衣服やカバンなどにトコジラミが紛れ込んでいて、そのまま自宅へ持ち帰る、
●自宅に発生したトコジラミを住人が知らずに他へ持ち運ぶ
●トコジラミの付いている家具とは知らずに再利用する
など様々なケースがあります。

トコジラミは吸血源があれば容易に住み着くため、発生場所が「不衛生」や「清潔にしているから大丈夫」といったこととは関係ありません。

トコジラミが増えた原因

トコジラミは主に人や物と一緒に運ばれて、持ち込まれます。海外からの旅行客や荷物などと一緒に国外から入ってくるだけでなく、
■トコジラミが発生している国内の施設を利用した場合、その利用者の衣服やカバンなどにトコジラミが紛れ込んでいてそのまま自宅へ持ち帰る
■自宅に発生したトコジラミを住人が知らずに他へ持ち運ぶ
■トコジラミの付いている家具とは知らずに再利用する

など様々なケースがあります。トコジラミは吸血源があれば容易に住み着くため、発生場所が「不衛生」や「清潔にしているから大丈夫」といったこととは関係ありません。

トコジラミはなぜ増えた?

現在、アメリカやヨーロッパ、中国、オーストラリアなどではトコジラミが大発生しており、社会的大問題となっています。特にニューヨークでの被害が著しく、人気ブランドのアバークロンビー・アンド・フィッチ(通称アバクロ)の姉妹店が一時休業に追い込まれたり、スポーツメーカーのNIKEもナイキタウンを1週間閉鎖して駆除作業を行うなどの事態が起こりました。果てには国連本部にまでトコジラミが侵入してしまったというのですから、彼らの繁殖力の強さを痛感します。ではそんなトコジラミはなぜ日本にも侵略してきたのでしょうか。

最近では、国内媒介も増加中

2~3年前は外国人の宿泊するホテルや旅館などの宿泊施設からの駆除依頼が非常に多かったのですが、最近は一般家庭からのご依頼が非常に増えています。戸建住宅やアパート、マンションなど、建物の構造に関係なくトコジラミ被害の相談が増加傾向にあります。

また「ここ何年も海外には行っていない」という相談者も非常に多いです。これは” 海外⇒日本” という図式を超え、”日本人⇒日本人”というルートでトコジラミが移動し繁殖していることを示しています。
日本国内での宅配便などでの荷物に紛れ込むケース、泊まった国内の宿泊施設から持ち帰ってくるケースなど原因はさまざまです。

また最近では貧困者支援対策用の簡易宿舎やグループホーム、社員寮や学生寮などの共同生活をする建物で多数の人が同時にトコジラミに悩まされるケースが目立ちます。

トコジラミは自然発生しません。しかし一度棲みつかれてしまうと爆発的な繁殖力で増加しますから、早期解決が大切です。

市販の薬剤は効果なし!

現代のトコジラミの多くは、ドラッグストアやホームセンターで販売している市販の殺虫剤への抵抗性を示しています。市販のエアゾール剤や燻煙剤の有効成分であるピレスロイド系の薬剤では効果は期待できません。

「まずは自分でなんとかしてみよう」と皆さんあの手この手を使ってみたものの、結局効果なく被害が拡大し、最終的に諦めてプロの駆除業者に相談…。というケースをよく耳にします。
前述の通り、トコジラミは毎日産卵します。ご自身で対策をしている時間の分だけ被害が進行してしまうということです。

駆除業者が使用できる有機リン系やカーバメート系の薬剤など、効果的な薬剤もあります。
トコジラミは一般人には駆除のできない特殊な害虫です。我慢せずにプロにまずご相談ください。